自転車、洋食、美術館

　僕は自転車に乗るのが好きだ。だから無職の僕は、連休明けの午後に自転車に乗ってふらふらと散車してみた。ちなみに「散車」という言葉は今勝手につくった。東京は雨らしいが、9月16日の昼下がりの金沢は完璧に晴れていた。

　まずは洋食屋さんの「クック」に出向いた。このクックというのは、鬼のようなボリュームをもってして、金沢でも指折り数える有名なお店のひとつだ。まあ僕も最近知ったんだけどね。

　ということで、クックの名物らしい「チキンポロネーズ」（1,000円）を注文。写真じゃイマイチこの威圧的なボリュームが伝わらないのだが、とにかく暴力的な量である。ちなみにライスは、「半分にしてください」と伝えて、この按配。それでも残した。1/3にしとけばよかった。正直、食べていて苦痛を感じるメニューである。ボリュームだけでなく、味もピカイチとのクチコミを見かけたのだが、どうやら僕は「洋食屋さん」の味付けがあまり好みでないのかもしれない。特にデミグラス系のソースはポイント低めだ。同じ洋食屋さんなら、ひがし茶屋街の「自由軒」の方が好みだったな。

　また、どでかいチキンを揚げるので、オーダー後の時間が長い。ただ、こんな罪悪感を感じるくらいの秋晴れの午後に、ある洋食屋さんで『ノルウェイの森』を読みながら「チキンポロネーズ」ができるのを待つというのも、なかなか良いもんだったよ。