1008年より、時空を超えて、愛を込めて


 京都、宇治にある源氏物語ミュージアムに行ってきた。彦根からは、名神高速道路〜京滋バイパスと60分ほどで行ける。


 今年2008年は、源氏物語が誕生してちょうど1000年経った記念の年という説がある。まあもちろん古い話なので正確なところはわからないんだろうけど、とにかく区切りの年とされているのだ。だったらミュージアムにも行かないわけがない。


 源氏物語において、宇治が舞台となっているのは、主人公である光源氏が出家した後。主人公が登場しない舞台なので、長いエピローグ部と言ってもいいかもしれない。もちろん京を中心に展開した表舞台との対比としての宇治、としてそれなりに意味のあるのだろうが、最終回を書き終えたが編集者から「先生、もう少しお願いします」と言われて無理やり連載を続けてみた、そんな位置付けだと僕は思う。


 ということで、このミュージアムでの中心人物、薫(光源氏の息子、とされている人物)や浮舟には、ほとんど馴染みがない。館内では、短い映画を見ることができるのだが、館内の展示をしっかり見たあとでないと、映画の意味がさっぱりわからないので要注意。あと見所と言えば、幻想的な「架け橋」と「宇治の間」の物語シアターだろうか。1000年も昔の世界を、CGや今っぽい照明なんかを駆使して再現してる様はけっこう感動的なもんだよ。


 小さなミュージアムなので、1時間ほどで見てまわれると思う。で、ミュージアムを出たあとに、宇治の街並みを歩いてみるのも、これまたいとをかし、と我思うことなり。


◆宇治市源氏物語ミュージアム