長浜を出たらエジプトに立ち寄ろう

 「エジプト」って聞くだけで、ちょっと浪漫を感じないかい。まあ今のエジプトだったら、なんだか砂ばっかでのどが渇いてうんざりしてしまう印象しかないけど、「古代エジプト」ともなるとなんか神秘的でかっこいいと思っちゃうんだよね。ツタンカーメンとかクレオパトラとか、もう無条件でかっこいいからね。実際どんな人達だか知らないけど。とにかく、このあたりの知識がある人間って、無駄に博学に思えるから、そういった部分にも惹かれてるのかもしれないけどね。まあ、実際僕は詳しいことなんかひとつもわかんないだけどね。


 まあとにかくエジプトにはそんな印象があるわけさ。で、長浜からブウブウとドライブしてたら、「北近江リゾート」というスポットに出くわし、そこにあった「エジプト館」に立ち寄ってみたんだよね。理由は今述べた通りさ。


 で、このエジプト館だけど、スケールとしては、とても小さいもんなんだ。もちろん、無意識のうちに紀元前3000年とか、ピラミッドとか、時間的にも物理的にも抱えきれないくらい大きなものをイメージしてるせいもあると思うけどね。でも実際ここは、スフィンクスの足の小指の爪くらいの小さなスペースでこじんまりやってるものなんだよ。まあ、スフィンクスの足の小指の爪が大きいのか小さいのかどれくらいか皆目検討もつかいないけど、とにかく、真剣に見てまわったって、あっという間に終わっちゃうくらいなんだ。


 でも実際にこの時代の人達って毎日何を考えながら生きていたんだろうね。やっぱり仕事のことなのかな。で、仕事やりながらも晩飯のこととか、恋人のこととかいらんこと考えていたのかな。歴史上の事柄って偉い人にしかスポットは当たらないけど、どんな時代も圧倒的多数は、僕らのような庶民なんだよね。だから庶民の博物館なんかつくっても人気が出ると思うんだよね。「古代エジプト庶民館」とかね。うん。でもまあ、言ってみたハナから悪いけど、やっぱあんまおもしろそうじゃないかもね。黄金のマスクとかロゼッタ・ストーンとかの方がエキサイトするよね。正直なところ。実際、このエジプト館でも、庶民の農耕文化を紹介する展示物より、そういう展示物の前にいた時間の方が圧倒的に長かったしね。そういう展示物ってのは黄金のマスクとかロゼッタ・ストーンとかのことだけどね。


 まあ、それでも、ドライブの寄り道ポイントとしては充分だね。長浜からさらに琵琶湖沿いをドライブしてると道なりに湖を離れて、「ち、なんだよ」と思ってるとたどり着くポジショニングだから、ちょうどいいと思うよ。で、すぐそばには木之本インターチェンジがあるから、そこから北陸自動車道に突入すれば万事オーケーってやつさ。しかも500円でちょっとしたエジプト気分に浸れるのも悪くないと思うよ。なによりBGMのエジプト的な音楽が、いい気分にさせてくれるんだよ。まじな話。


◆北近江リゾート「エジプト館」<北近江リゾート