ミスター・ブレイン



『プロフェッショナルたちの脳活用法』茂木 健一郎 , NHK「プロフェッショナル」制作班


 たまにNHKでやってる「プロフェッショナル 仕事の流儀」だけど、この番組はガチだよね。どっかの分野のプロフェッショナルが出てきて、自慢話をするって番組なんだけど、何が渋いかって、ナレーションなんだよ。文章にするととても不器用で稚拙なナレーションも、この番組では不思議と力強い存在感を醸し出してるんだよね。仕事人って、どこか生き方に不器用さがないといけないんだ。君はこのことに気付いてたかな。そんで、テーマソングもいい味出してるよね。スガシカオが変な名前のバンド組んでうたってるんだけどね。イントロのざらついたギター・サウンドがたまらないんだ。仕事人って、どこかにエッヂが効いてないといけないんだ。君はこのことに気付いてたかな。NHKはもっとこういう番組に力を入れて制作すればいいと思うんだよね。NHKはこのことに気付いてないと思うな。


 んでね、そんな番組をまとめた本だっていうから買ってみたんだ。まあ読み物としては、メリハリがなく淡々と書き連ねられている感がしたのだが、そこで挿入されるプロフェッショナル達の御言葉にはいちいちしびれたね。いちいち。で、その中でも僕が気に入ったものを紹介するよ、と思ったけど、会社に本を置いてきてしまったから、また今度にするよ。


 でね、この番組をはじめ、最近よくよく見かける脳科学者の茂木さんなんだけど、この人のうさんくささもいいよね。うん、これは一応褒めてるんだよ。何かもっともらしいこと言ってるようだけどイマイチ重みがなかったり、ゲストのプロフェッショナル達に一般市民を代表して質問してるだけのような非常に親近感溢れるポジションだったりとね。そもそも、「脳のなんとか」って肩書きとは裏腹に、髪型以外はこれといった貫禄もないキャラだしね。


 まあつまりはだね、所詮人間の「脳」のことなんて、まだまださっぱりわかってないってことだろうね。脳のプロフェッショナルにだって、「それっぽいかな」くらいのボヤっとしたことしかわかってないんだよ、きっと。それだけまだまだ「脳」には浪漫が残されてるってことだね。むりやりまとめると、だけど。


◆NHK プロフェッショナル 仕事の流儀


スガシカオ ⇒ kokua / Progress