小説2.0

◆ミクシィ、SNSで連載小説<IT-PLUS(2007.02/26)

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手のミクシィは3月からSNS上で連載小説を始める。小説の登場人物による日記の公開や、会員の声をストーリー展開に生かすなどSNSならではの仕掛けを盛り込む。トヨタ自動車花王が広告主として協賛。小説内に広告主企業の商品・サービスを登場させ、広告収入の拡大につなげる。


 みんなでつくる小説みたいな感じなのかな。でも、さすがに小説とか映画ってのは、究極の他力本願な娯楽だと思うんだよね。たとえどんなに感情移入したとしても、自分の意思とは無関係のところで勝手に物語が流れていってくれる、ある意味ジェットコースター的な部分に心地よさを感じてるはず。自分は何をすることがなくても、話が展開していってくれる、それでいて感動できる、みたいな。


 確かに自分の意見が小説のストーリーに反映されるのはうれしいことなのかもしれないけど、反面、自分の意見がストーリーに反映されなかったとか、ある特定の人間の意見ばかりが採用されるとか、それはそれで、ストレスになるような気もする。


 そんなだったら、最初から作者という絶対的な人間が提供する完成された物語を読みたい。もしくは、参加者全員の意見が平等に反映される2ちゃんねるのようなカオス的なテキストの方がおもしろいだろう。結局、人に発言させておきながら、それが無視されるというのが、一番ユーザーをがっかりさせることになるのだ。


 とまあ、実際この小説がどんな形式で連載されるのか詳しくわからないんだけど、うまくいくのだろうか?