誕生日、ホワイトデー、ケーキ
３月15日はメリー社長の誕生日なので、誕生日祝いをせねばならなかった。そして、この日でインターンのクミキさんが最終日、次の16日は同じくインターンの立川くんもラスト、そんで19日には１さんの誕生日。とまあ、これらを一緒にお祝いしようということになった。大忙しだ。さすがは３学期も大詰めの卒業シーズン。となると、３月14日のホワイトデーのお返しも、１日遅らせてこの中に紛れ込ませようということで男性陣の意見はまとまった。ということは、14日当日は何を言われようと必死で無視することがノルマにもなるわけだった。
しかしまあ、当日はある程度のプレッシャーをかけられることは覚悟していたのだが、夕方あたりからメッセンジャーのメッセージ欄は「お菓子」に関することで埋め尽くされたり、仕舞にはあからさまに「何かくれよ」と言われるはめになるとは予想外だった。ここまでくるとホワイトデーという記念日が大事なのか、チョコをあげたお返しという誠意を求められているのか、単に腹が減ってイライラしているだけなのか皆目検討もつかない。
で、そんな険悪な社内を抜け出し、僕と王子は日本橋の高島屋にケーキを買いに出かけた。まあ、買ってきたところで、渡すのは次の日なんだけどね。で、閉店間際の高島屋の地下に行ってみると、黒いスーツというかグレーのコートというか、とにかく大の男どもがお上品なショコラやかわいらしくデコレートされたケーキの前に行列をつくっているわけである。しかもちょっと恥ずかしげに。まあ、とにかく異様な光景だったが、ああ、何だかんだ言っても日本はまだ平和なんだなと思った。そんな中、僕らは約15,000円分のケーキとクッキーを買い、文字通り両手に抱えて会社に戻る。バブル。
ホワイトデーにホールケーキをセレクトしたのは、絶対に“残り”がでるから、「お返し」と称しながらも、自分らも「いただく」ことができるだろうという目論見からである。その辺は計算通りだった。ちなみに一番人気だったのは、ブルーミッシュというお店の「桜のアントルメ」でした。
