かるたの温度感


村上かるたうさぎおいしーフランス人◆村上春樹 著『村上かるたうさぎおいしーフランス人』Amazon.co.jp


 図書館から借りてきた。


 まあ、何と言えばいいのかわからんが、こんなもの企画して、本にして出版して、書店に並べるなんて、村上春樹しかできないワザなんだろうな。「くっだらねー」というか、よくも悪くもその域から出ない、なんとも脱力感あふれる1冊。売れっ子作家って、いいよね。


 でもまあ、かるたなんてものは、そもそもがギャグというか、ちょっとしたユーモアを忍ばせている微妙な存在とも思えるんだよね。「犬も歩けば棒に当たる」なんて言われても、「まあ、そうだろうね」とコメントするしかないし、でも実際に歩いている犬が棒に当たっているところを見たことがあるかと言えば、少なくとも僕はこの人生で1度もない。「ありそうだけど実はないが、でもわかる」みたいな、その微妙なラインが、かるたをかるたらしくしている温度感なのかもしれない。そう考えると、この村上かるたも、アリなのかなぁ……。