包帯の使い方


◆包帯クラブ


 劇場には10人ほどしかいなかった。みんな『HERO』観てんだろうな。ということで、いささかこの映画を観ることに不安感を抱きつつ、かつ、序盤はかなり「やヴぁい」展開で、背筋が凍る思いをしたのだが、まあ、終わってみれば悪くなかったかなと。多分映画は原作の大部分を端折ってるので、あんまり深い部分まで触れてはいないのだが、それでもうまくまとめてるような気がした。


 柳楽優弥くんもヤンキースの井川に似ている点を除けばまあかっこよかったと思う。ところで「やぎら」って読むんだね。俺ずっと「やがら」だと思ってたよ。あと、貫地谷しほりもいいキャラだったね。ってこいつも読み方わからんし。「かんじや」? 覚えられねーよ。芸名使えばいいのに。


 まあ月並みな言葉だが、このご時世、心に傷を負ってない人間なんていないが、しかしそれとは逆に身体に傷を負ってるような人間は少ないような気がする。肉体的に不具合があるとすれば、それはストレスが原因となったものだろうし、結局みんな病んでいるはずなのである。って考えると、包帯ってもの自体が身体に巻きつけるものではなくなっているのかもしれないな、と思った。この映画のように、包帯の役割ってものは、もう自分が見たくもない場所や風景の一部に巻きつけるもんなのかもしんないね。


◆柳楽 優弥<Stardust Promotion,inc.
◆貫地谷しほり オフィシャルブログ『しほりのおしゃべり工房』