日本バレーボールにどうもちぐはぐさを感じる理由

◆【バレーボール】柳本ジャパン崖っぷち…伊にストレート負けSANSPO.COM(2007.11/08)


 W杯女子第5日(7日、大阪・なみはやドームほか)世界ランキング7位の日本は、同4位のイタリアにストレート負け。高橋みゆき(28)=NEC=がわずか4得点に封じられるなど、1セットも20点に届かない完敗だった。通算3勝2敗で6位に転落し北京五輪出場権を得られる3位以内へ赤信号がともったが、柳本晶一監督(56)は9日のペルー戦から始まる札幌シリーズの3連勝を宣言。北京キップはあきらめない。
(後略)


 バレボールのワールドカップが行われている。5年目柳本ジャパンの成果、オリンピックへの出場権、栗原と大山のメグカナ・コンビなどが注目されているが、個人的には、バレーの大会って毎年のようにやってて、今、何を目指して、何に向かって回転レシーブしているのか、いまいちピンとこないのだ。んで、調べてみると、毎年毎年異なった国際大会が行われていて、しかもそれは2年に1回必ず日本を舞台に開催されているようなのである。


 今行われているバレーボールワールドカップは、サッカーのワールドカップと同じように4年に1度開催されているのだが、大きく違う点がひとつある。1977年以降、開催国がすっと日本であるということ。というより、日本が永年開催権を取得しているので、この先も未来永劫日本で開催され、日本がホスト国として出場できるという大会でなのである。12ヵ国が参加し、オリンピックの予選も兼ねている。そんで、フジテレビの独占放送


 んで、この他にもバレーの大きな大会として、グラチャンと呼ばれる、「ワールド グランドチャンピオンズカップもある。グラチャンは、低迷した日本チームが世界のチームに挑戦するというコンセプトの大会として1993年にスタートし、以後、やはり4年に1度開催されている。そんでこちらも永続的に日本で開催され、日本が出場するという大会。次回は2009年に開催される。6ヵ国が参加。日テレが独占放送


 最後に、世界バレーと呼ばれるバレーボール世界選手権というものあり、こっちは、国際バレーボール連盟がはじめてつくったバレーボールの世界大会。つまり、もっとも伝統のある大会で、サッカーでいう「ワールドカップ」のような位置づけの大会。「世界バレー」も4年に1度行われ、次回は2010年開催予定。ちなみに女子は2大会連続で日本で開催される。24ヵ国が参加。TBSが独占放送


 で、この3つにプラスしてオリンピックがあるわけだから、4年ごとに行われる大会が4つあるということである。忙しいのぉ。


 で、じゃあなぜ、たいして強くもない日本ばかりで大会が開催されるのかというと、理由は簡単で「金」のためである。ゴールドではなく、マネー。


 バレーボールは世界的にはあまりメジャーなスポーツではなく、たとえ強国であっても自国で開催したところでスポンサーがつきにくく、「じゃあ、日本でやってくれていいよ」といった温度感なのである。それに加えて、これだけいろいろ大会があるが、バレーの頂点はあくまでオリンピックにあり、オリンピックで勝つことにしか価値がないという捕らえ方があって、他の大会が日本で開催されることに特に異議はない。


 まあいい。じゃあ、日本でやるならやるで、国をあげて応援すればいいのだが、そこにはまた問題があって、各テレビ局が放映権を独占しているのである。大会ごとに特定のテレビ局だけが盛り上がる図式のため、今、「バレーの国際大会が日本で行われているぞー、チャチャチャ!」という実感を、日本中で共有することがなかなかできないのが事実だろう。そもそも、このワールドカップの話題も、フジ以外のテレビ局ではたいして触れていない。逆に言えば、あの小倉さんだってグラチャンが行われているときに、「特ダネ」で全日本女子を力を入れて応援することはない。


 サッカーは、4年に1度ワールドカップで爆発的に盛り上がり、徐々にJリーグの人気にも浸透していったのだが、バレーはこうも毎年毎年ナショナルチームに偏ったスポットが当たっていては、Vリーグまでに人気は移らないだろうね。こんなことだから、「先がないスポーツ」とか言われてしまうんだろうね。