19世紀、ロシア、ドストエフスキー



カラマーゾフの兄弟ドストエフスキー


 一度は読んでみたい世界的名作『カラマーゾフの兄弟』。でもあの分厚い物語をいざ読もうとするには、かなりの勇気とタフさを要するため、今のいままで慢性的に見送ってきている。で、そんななか、偶然にも青森の書店で、この『カラマーゾフ〜』が、「まんがで読破」シリーズから発売しているのを発見したので、買ってみた。


 まあ、2,500ページもの超長編を、漫画1冊にまとめるわけなので、その端折り具合といったらすさまじいものがあるだろう。東京ドーム1個分を、エポック社の野球盤1個分くらいで再現してるようなもんだ。でも骨子くらいは掴めたと思う。あらすじは、確かにおもしろい。


 海外の小説を読んでいて苦労するのは、その空気感と登場人物名だと思う。たとえば、「金持ち」がどれほど裕福で、「庶民」にあたる人間がどの程度の生活ぶりなのかピンとこなかったりする。人物にしても、活字だけでは男か女かもわからないことすらある。でも、漫画なら当然だが「絵」があるため、その辺のややこしい部分が、とてもイメージしやすい。家に置かれている家具や食事の様子、そして街の景観なんかも自然と頭に入ってくるし、そこに登場するキャラクターの表情もつかみやすい。なので、とっつきにくいものは漫画から入ってみるのも悪くないと思った。


 で、今、謎のブームをみせている小林多喜二蟹工船も、この「まんがで読破」シリーズから出てるらしい。読んでみようかなと思う。