オリンピック、マッピー、平和


 デパートのエントランスに置かれたモニターで北京オリンピックが放送されていた。画面では男子レスリングが行われている最中で、日本人選手が出ていたので、僕もまあそれなりにちゃんと見ることにした。といっても、レスリンって結局どうすれば良いのか、どういった部分に強さを感じるのか、どのタイミングでエキサイトすればいいのかいまいちよくわからない。床にへばりつくように、よっこらしょよっこらしょと、もがいているので、気合が爆発するような激しい動きもないように思える。そもそも見ようによっては、仲の良い2人がじゃれ合ってるように見えるくらいだ。まあ、別にいいんだけどさ。せっかくなら、解説か実況の人が逐一ルール説明すればいいのにと思う。サッカーの松木さんなんかは、絶叫もするが細かいルール説明や選手の紹介もしてて、いい解説者だと思うんだよね。そういうのレスリングでもやればいいのに。


 そう考えると、オリンピックってマイナーというか地味なスポーツが多いよね。見ていて楽しみ方がわからないものが多々ある。トライアスロンは、スイム時は当然選手の顔が見えないし、バイクになってもヘルメットやサングラスでその表情はわからない。ランになってもほとんどの選手はサングラスをしたままなので、選手が全員ターミネーターみたいに無機質な感じしかしない。


 トランポリンは「いつまでポンポン飛んどんねん」と見てて気の毒になるくらいだし、ときおりマッピー*1のように、トランポリンが破れないか心配にもなってくる。飛び込みに関しては、一瞬の出来事なので、どの選手も同じ事をしているようにしか見えない。走り幅跳びも、選手が次々と淡々と黙々と競技するので、金メダルを目指して跳躍していると言うよりも、記録を集計するために飛んでいるという風に思えてくる。まあもちろん、オリンピックとはこういうものだと言われればそれまでなのだがね。


 あと400メートル障害は、見ていてもう拷問のようで痛々しい。そもそも「走る」競技のなかでもっとも過酷という400メートル走に、ハードルというオプションを加えているくらいだから嫌がらせとしか思えない。最後の数十メートルは、みんなアゴが上がって、腿は上がらないという走り方をしているくらいだ。


 次回、オリンピックから野球ソフトボールが消える。僕は五輪野球にそんなに興味はないのだが、とはいえ、やはり「日本の野球」は気になるので、試合を見ている。多分4年後も日本のサッカーはそんなに強くないだろうし、内弁慶なバレーも世界を相手にどこまでのパフォーマンスをみせれるか疑問だ。ロンドンはとても退屈なオリンピックになりそうな気がするな。でもこういう、よくわからないことを一生懸命にトライし一喜一憂する人間を眺めることに「平和」を感じるのかもね。

*1:1983年にナムコより発売のファミコン・ソフト