ロックしたい夜には


Led Zeppelin【胸いっぱいの愛を 〜 ブラック・ドッグ】1975年ブートライブ


 僕がティーン・ネイジャーだった頃は完全なまでにパープル派だったんだよね。そうだよ、つまり、レッド・ツェッペリンかディープ・パープルかって訊かれたら、間髪いれずにディープ・パープルだって答えていたってことだよ。たしかビートルズ以外ではじめて買った洋楽CDもパープルだし、はじめてベースでコピーした洋楽もパープルの「紫の炎」だっと思うんだ。つまりさ、リッチー・ブラックモアの高速ギター・ソロの方が、ジミー・ペイジのいつまでも同じことばっか繰り返してるリフよりもエキサイティングだったってことだよ。あとは、ジョン・ロードのオルガンにも魅力を感じたね。その点ツェッペリンはレギュラーでキーボードがなく、そのシンプルなアンサンブルは、若い僕にとっていささか薄味過ぎたんだよね。


 でもね、これが不思議なもんで、いつの頃からか、パープルの曲がただカチャカチャうるさいだけって感じるようになってきたんだよね。それと入れ替わるようにツェッペリンのリズムの妙とギター・リフが心に響きはじめていたんだよね。もうね、今ではツェッペリンをロックと言わずして、何をロックと言うべきかと思うくらいなんだ。そして、ジョン・ポール・ジョーンズ。僕がもし仮に今でもベースを続けていたら、彼のようなベーシストを目指していたと思うね。これはまじだよ。