10キロマラソンに出たんだ。


 城下町ハーフマラソンの10キロの部に出たんだ。


 しちめんどくさいから、最初に君に結果を教えておくよ。


記   録 1時間00分13
総合順位 575位/856人中
種目順位 137位/188人中(男子30歳代)


 てんでたいしたことないんだよ。けっこう練習したわりにはね。運動神経だけでこれくらい走れる人もたくさんいるだろうね。まったく。片町を過ぎた辺りからおもしろいように抜かれていくんだよ。後から来たのに追い越されってやつだよ。女の人やおじさんはもちろん、仕舞いにはおばさんや太ってる人にまでぐんぐん抜かれていったね。まあこれも自分の実力のなさってことだけどね。僕の人生を振り返ってみても、スタート時の成績や記録ってのは下から1/3ってポジションが定位置のような気もするし、自分らしいなって思うよ。でもね、「ああ、こんなタイムだったら俺でも走れるな」とか「よし、じゃあ1時間目安に走れれば大会にも出場できるのか」って思って、どんどん参加するランナーが増えてくれればと思ったから、参考までに晒してみたよ。



 でね、今回はじめて大会に出場してみたんだけど、ぜひ、注意しておきたい項目も列挙しとくよ。君がもしいつか市民マラソン大会なんかにでることがあったら、ちょっとこのへんを注意してみるといいと思うよ。

トイレ

 本番前は何回行っても、行き過ぎることはないだろうね。しかも、たいていトイレは混むからね。だからスタート直前が狙い目だろうね。個人のタイムはなんとかチップってやつで、スタートラインを超えた瞬間から計測されるわけだからね。別にヨーイ、ドンにちょっとくらい遅れても問題ないわけさ。そんなことよりも、コンディションを整えておく方が重要だね。

ゼッケン

 ゼッケンは受付でもらったものを自分で取り付けるんだけど、意外と盲点だったね。つまりさ、自分の腕がゼッケンに擦れてとても気になったんだよね。腕の位置とゼッケンの位置を事前にチェックしておく必要があるね。

給水

 給水所は確か3箇所あったんだよね。この大会では。で、もらった水をそれっぽく頭からかぶってみたりしたんだけど、これはやらない方がいいね。なんでかっていうとさ、シャツが濡れて重くなるんだよ。重くなるっていっても何グラムくらいだろうけど、それでも結構ストレスになるだよね。あと、給水とかいっても、走ってるからの飲めやしないんだよ。うがいする程度が精一杯だったね。水やスポーツ・ドリンクが飲めるなんて過度の期待はしない方がいいね。

ペース

 序盤はね、自分のペースで走れないんだよ。まわりに人がいっぱいいるからね。だから、どこかの時点でペースアップしないと、そのままずるずる遅いペースのままスタミナだけ消耗しちゃうんだよね。一旦遅いペースに身体が慣れちゃうと、なかなかギアチェンジするの難しいんだよね、素人ランナーは。この辺が大きな課題だね。



 まあ、こんなところさ。で、走ってて気付いたけどさ、やっぱり沿道の声援ってのはうれしいもんだね。特にお年寄りなんかが、「おー、がんばれがんばれ」と目を細めている笑顔を見ると、とてもうれしくなっちゃうね。ただ走ってるだけで、自分もこの人たちに、なんか楽しいことを提供できてるんだなってね。でもさ、こういう沿道の声援ってのは、9割方、おじさんランナーやおばさんランナーに向けられてるなって感じたよ。つまりさ、若い人間が走ってるってのは、普通なんだよ。おっさん、てか、もうおじいちゃん、おばあちゃんって人でも息を切らして一生懸命走ってるからこそ、応援し甲斐があるんだろうなって。「若いもんに負けるなー」みたいに。だからね、僕は思ったよ。僕らくらいの世代の人間は何かにチャレンジするのが当たり前の権利であって、何かと戦うのが当然の義務なんだろうなって。なんか、仕事から帰ってまでもトレーニングしてる俺ってすげー、みたいに思ってたけど、そんなん当たり前なんだよ。「走ろう」って決めたからには、それくらいやらないと意味がいないんだ。このマラソンに出て、自分の力のなさと、引退してもまだ何かに挑戦している人生の先輩がたくさんいるってことを知ったね。これが今日の収穫かな。だからね、まだまだ負けてくじけてるようじゃいけなんだよ。先は長いわけだからね。まじで。


◆金沢城下町ハーフマラソン(10キロ) ジョグマップ ・ ジョギングコース<JogNote [ジョギング・マラソン SNS]


◆金沢城下町ハーフマラソン2009北國新聞
◆2417人、秋風切って 金沢城下町ハーフマラソン 三輪、河野の県勢V北國新聞 (2009.09/14)