立浪和義、背番号3、永久欠番について


 永久欠番について語ろうと思うんだ。


 僕はね、断固として反対なんだよね。立浪の背番号3に関して、というよりもそもそも永久欠番ってものに対して断固として反対だね。



 まずね、現時点で中日の永久欠番は2つあるんだよ。10と15ね。でもね、この番号を誰がつけていて、それがどんな選手だったか、ピンと来る人ってのは少ないと思うんだ。どんな熱狂的なドラ吉であってもそうだろうし、少なくとも僕は知らないんだ。つまり、反対する理由はそれだよ。


 今、いくら生ける伝説と化す選手であっても、いつかはその印象も薄れ、忘れられるんだ。否、忘れられはしないだろうけど、知らない世代が生まれてくるんだ。こないだ話した野茂の話と同じようにね。応援してたファン個人は忘れないけど、世の中として知らない人間が出てきて、増えてくるってことだよ。だからね、僕ら世代にとっての「背番号3立浪」ってものを未来永劫一人占めっていうか、一世代占めするのは、どうかと思うんだよね。だってさ、永久欠番だよ。永久なんてものをつくろうとすること自体間違ってると思わいないかい。人は毎日成長して変わっていくし、世の中も日々その姿、価値観を変えているんだ。今の時点でそう感じるものを真空パックに閉じ込めていつめでも保存しておく必要なんてないんだよ。いつか必ず「立浪を髣髴させる」プレーヤーが出てくるだろうし、出てこないと困るわけさ。そのときのために、背番号3を用意しておかなければいけないんだよ。背番号3を誰の手も届かないところに保管するのではなく、そのナンバーを背負う選手が育成され、登場するときを待つべきなんだ。堂上兄ちゃんだったり、野本だったりがそうなるべきと思うね。じゃないとね、チームは強くならないよ。まじ。僕の言ってることわかるかな。永久欠番にする方が、中途半端に忘れちゃうよね、立浪のことを。今か今かと待ち続ける方が、立浪のすごさは受け継がれるわけだよ。



 他球団で、事故や病気で亡くなったために空いてる番号というのがあるけど、そういうのならわかる。そういう理由で欠番、永久欠番ってのならわかるね。でもね、本来、背番号は引き継ぐものなんだよ。否、世の中のすべてのプラスの物事は引き継いでいくべきなんだよ。そこで止めちゃいけない。伝統っていうものは、そういうものだと思うよ。


◆KKコンビも中日・立浪引退試合に駆け付けるSANSPO.COM (2009.10/01)


◆立浪、集大成の3安打「今日1日だけは楽しく野球」<イザ! (2009.10/01)

立浪和義あいさつ全文中日スポーツ (2009.10/01)


 縁があって中日ドラゴンズという素晴らしい球団に入団することができ22年がたちました。たくさんの方々に支えていただき、たくさんのファンの皆さまに応援していただき、ここまでやってくることができました。プロ野球の世界に入る前は、今日自分の最後のユニフォーム姿を見に来て下さった清原さん、桑田さんにあこがれてプロ野球選手を目指しました。プロ野球選手になる前はこの体でこの世界でやっていけるのかなという不安ばかりでしたが、プロに入ってから、そして今まで、体が小さいと思ったことはありません。ただ、負けん気だけを持ってここまでやってきました。昨年引退を表明しここまでやってきましたが、なかなか皆さんの声援に応えるバッティングができなくなってきました。僕の理想は「打って走って守る」。自分には守ることと走ることが衰えてきたのでユニフォームを脱ぐ決意をしました。代打にまわってから3年半、毎打席温かい声援と激励をいただいたことはしっかりとこの胸にしまいこみ、またいつか皆さんに恩返しができるようこれからの人生たくさんのことを学び、勉強し、一回りも大きくなって帰ってきたいと思います。22年間、常にプレッシャーの中で戦ってきましたが、今日1日は楽しく野球をやらせてもらえました。最高の花道を用意して下さった中日ドラゴンズ関係者の皆さん本当にありがとうございました。そして最後に代打として最後の生きる道を与えて下さった落合監督、たくさんのサポートをいただいたコーチの皆さん、そして最高のファンの皆さんに囲まれて幸せな野球人生を送ることができました。この体も今までよく踏ん張ってくれました。ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。これで心おきなくバットを置くことができます。全国のドラゴンズファンの皆さん、そして私を応援して下さった野球ファンの皆さん、22年間本当にありがとうございました。