「アリス・イン・ワンダーランド」感想


 鑑賞前にレビューをチェックしたんだけど、評判はイマイチだったんだよね。だから半信半疑で劇場に行ったわけだけど、まあ楽しめたと思うよ、個人的には。


 世の中に逆行するように、2Dバージョンを観たんだ。あげく吹き替え版でね。まあこういうのも悪くないと思うな。吹き替えの方が画面に集中できるからね。というのも、この映画は映像美がすばらしいんだよ、まじ。ファンタジーという舞台に相応しいクオリティだね。


 で、思ったんだけど、僕は言うほどのアリス・フリークではないんだ。小説を1回読んだくらいだよ。ああ、説明し忘れてたけど、この映画は不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の続編って位置づけなんだよね。ただもちろん原作はルイス・キャロルではなく、映画制作側のオリジナル・ストーリーなんだけどね。まあとにかくさ、アリスくらいの不朽の名作となると、大のマニアやファンがいるわけさな。そういう人達がこの映画を観ると多分消化不良に終わるだろうね(まあ実際なってるのかもしれないけど)。というより、映画で小説やマンガの原作ファンを満足させることは不可能な話なんだよ。それぞれ各々のイメージってモンが頭の中でできあがってるわけだから、役者や演出、それから2時間という時間制限の中でマニア達の要望に応えるなんてインポッシプルなミッションだよ。この「アリス〜」に関しても、ハンプティ・ダンプティは出てこないし、懐中時計のくだりも薄っぺらいし、この辺の細かい部分にも不満に思う人は一定割合はいるだろうからね。


 だからね、僕は『人間失格』の劇場版も観ようと思ったけど、こっちこそ観たらがっかりすると思うんだ。『バトル・ロワイアル』のときのようにね。昔映画で『デスノート』のときは、映画→原作と鑑賞したから、かなりハマったけど、逆だったらどうだったかわからないね。


 だからね、原作を読んでおもしろかったから映画を観ようってのは、かなりリスキーなんだよね。「巷で話題だけど、まだよく知らない。だから映画でも観てみよう」ってのが正しい順序だと思うんだ。君も何事においても順番には気をつけた方がいいと思うよ。食後に飲む薬なのか、食前に服用する薬なのか気をつけるようにね。


◆アリス・イン・ワンダーランド オフィシャルサイト