柳本晶一著『人生、負け勝ち』感想


人生、負け勝ち

人生、負け勝ち

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 柳本さんといえば、2003年から全日本女子バレー監督を務め、アテネ北京オリンピックに出場するなど女子バレーの顔的な存在になってたよね。2008年に代表監督を退任したんだけど、その後の現監督は誰になってるかわかるかな。まあピンとくる人は少ないんじゃないかな、柳本さんの印象が濃いからね。


 まあとにかくさ、僕がこれまで読んできた仕事本やアスリートの指揮官が語る書籍なんてのは、男対男の視線でつくられているんだよね。男対男で「こうすべき」「ああすべき」「こう指示すべき」「ああ導くべし」みたいな。でも、こういう哲学をいくら吸収しても、男対女のケースでは何も参考にならないんだよ。まったくね。それはね、これまでもなんとなく実感してたんだけど、この柳本さんの本を読んで確信に変わったね。男対女の上下関係とかチームプレーってのは、すこぶる気を使う必要があるし、男対男とは別次元のものとして考えないといけなんだなってね。極端な話、これまでにいろいろ読んだり聞いたり参考にしてきたことって、何の役にも立たないような気すらするよ。男と女ってそれだけ違うわけだよ。


 でさ、ちょっと考えてみるとさ、最近まで野球やサッカーというメジャーなスポーツに「女子」というカテゴリーがなかったのは、指導者も選手も男ばっかで、女子に対してどうマネージメントすればいいかという部分で行き詰まってしまったんだろうと思ったね。まあ北京オリンピックを観る限りは、そんな性別の壁はなくなったような気もするけど、男と女の上下関係、同僚関係ってのは、恋愛以上に複雑でつかれるもんだなと気付かされたね。


 ちなみにさ、2009年からの全日本女子バレーは真鍋政義監督が指揮をとってるね。さて、彼はどう女子チームを強化していくことやら。