「踊る大捜査線THE MOVIE 3」感想


 僕は別にドラマの時分からのファンってわけじゃないけど、映画のシリーズは一通り観てるんだよね。観てるってのは、この「踊る大捜査線」シリーズのことだよ。まあ、一言でまとめると、今回のも満足だったよ。


 で、この「踊る大捜査線」シリーズってのは、観たことない人でも「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ」的なセリフを思い浮かべるんじゃないかな。まあ制作サイドの意図もあるだろうけど、コマーシャルなんかで嫌というほどよく見かけたもんね。


 でもね、このセリフがこれほど浸透したことから、警察という世界だけでなくどんな業種であっても、現場の意見なんてあってないようなもので、どこかの会議室での決定事項が最優先されるって事実が透けて見えるよね。だから、この図式、力関係に一石を投じるってストーリーが、このシリーズの「魔力」なんだと思うんだよね。


 つまりさ、結局のところみんな解ってると思うんだ。「現場の意見や現場の人間なんて、あってないようなもの。俺らなんて取り換えのきく兵隊さんでしかない」ってね。それを解った上で、文句も言わず働いてるわけさ。で、いざ「踊るシリーズはじまります!」ってなれば、じゃあせめて映画の世界だけでも、現場サイドの織田裕二に自己投影して、すっきりしようってのが、この映画の人気のベース部分だと思うんだ。だからね、僕の中でもこういう「柱」がしっかりしてるから、とても観応えがあるんだよね。まあ、もちろん人によっては予定調和とか、またこのパターンかよって思っちゃうかもしれないけどね。


 まあまとめるとだね、我々圧倒的大多数の下々の人間ってのは、泥臭く我慢しながら働くってことが逃れられない宿命なんだよね。でも、それを理解してるだけでも、随分と違うんだろうけどね。


◆踊る大捜査線3オフィシャルサイト