偉大なるギャツビー


◆スコット・フィッツジェラルド 著『グレート・ギャツビー』Amazon.co.jp


 これほどまでに絶賛されている物語があるだろうか、ってくらい、評価の高い『グレート・ギャツビー』だが、正直僕はどうもピンとこない。


 この小説の存在を知ったのは、村上春樹の『ノルウェイの森』。主人公が絶賛する小説として紹介されるし、村上春樹自身も、自分にとって特別な存在の小説であると語っている。同じくサリンジャーの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』でも同様に、褒めちぎられているわけだ。


 なので僕も読んでみたくなり、新潮文庫から出ているものを読んだのだが、さっぱりピントが合わなかった。で、今回、村上春樹訳が出るということで、書店に行って、飛びつくように買ったのだが、読み終えるまでに半年くらいかかった。まあ、誰が翻訳しても、物語の大筋とか、舞台までは変わらないからね。


 物語は、ギャツビーという奇妙な人物による不倫の話といったところだろうか。昔のアメリカ(1920年あたり)っぽい雰囲気は感じるのだが、それを噛み砕いて、あじわうことまではできていない。まあ、別に本のおもしろい、おもしろくないは、絶対じゃないから、無理に楽しもうとすることもないんだけどね。