フィクションとノン・フィクションの放映権

◆連続ドラマ「ROOKIES」の「次回放送は3週間後」に悲しむ視聴者続出。<Narinari.com (2008.05/19 )


(略)
視聴率的には初回12.2%、第2回14.8%、第3回15.4%、第4回13.1%と、裏番組の「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)や「めちゃ2イケてるッ!」(フジテレビ系)の放送状況に左右されている印象だが、新設のドラマ枠であり、浅い時間帯の土曜20時台ということを考えれば、健闘しているとの評価もできる。ちなみに先週(17日)放送の第5回は16.4%と再び視聴率を伸ばしていることから、今後の展開や裏番組の状況次第では、20%の大台も夢ではなさそうだ。

さて、17日の放送は感動のシーンの結末までたどり着かずに次回へと持ち越されたため、続きが気になっている視聴者も多いのだが、放送の最後で告知された次回放送日が物議を醸している。次回放送日は3週間後の6月7日。毎週放送されるのが基本の連続ドラマとしては、 3週間も空くのは異例中の異例だ。

これはTBSがフジテレビと共同で「2008 北京オリンピックバレーボール世界最終予選」を放送するため。5月24日(土)は「日本×タイ」(女子)、5月31日(土)は「日本×イタリア」(男子)の放送があり、「ROOKIES」はその煽りを食うわけだ。重要な五輪最終予選、しかもバレーボールの中継は恒例なので仕方がないとはいえ、感動のシーンで気持ちが昂ぶったところで長い空白ができてしまうことに、納得できない視聴者がいるのは当然だろう。
(後略)


 僕もドラマ「ROOKIES」を見ている。「ろくでなしBLUES」の森田まさのり高校野球を舞台にした漫画を描いていたことは知っていたが、登場人物の名前がすべて阪神の選手名だったことから当時原作には興味を示さなかった。が、今回はドラマ化されるとあって見てみることにした。まあ、僕も大人になったということだ。あと、市原隼人が主演してることもきっかけとしては大きかったかもしれない。


 要所要所でホームランが出たり、マメがつぶれたり、心が通じ合ったり、まあほとんどが逆転勝利だったりと、「野球」に関するフィクションなんて、もはやネタが出尽くしている気もするのだが、僕はこのドラマをそれなりに楽しめている気がする。「夢」とか「仲間」といったワードの頻出度が高いことには、いささかうんざりもするのだが、「野球をしよう」としている人間の姿を見ると、とても親しみがわく。ドラマを見終わったら原作を読んでみる気でもいる。と思っているところで、次回は3週間後ときたもんだ。


 まあ、個人個人の意見はいろいろあるだろうけど、TBSは今回、筋書きのあるドラマよりも、筋書きのないドラマを3週続けて放送することを選択したわけだ。こう書くと、オリンピック最終予選を放送した方が注目度は高いだのかもしれない。ドラマは待ってくれるが、オリンピックは待ってくれない。男子バレーだって、勝ちさえすればかなりおもしろいはずだし。


 ただ、僕のように生活のサイクルが不規則な人間は、ドラマは録画して、自分の都合のいい時間に見るわけだ。しかし、スポーツの場合は録画してあとから見ようなどとは思わない。なぜなら筋書きのないドラマは「結果」というただ1点に集約されるので、「結果」だけ見れば、それなりに満たされるからである。そう考えると筋書きのあるドラマは、何度も何度も噛み締めることで、味が出てきたり、毎度毎度違った感動を得られるもの。たとえそれが、予定調和で手垢のついたシナリオであっても。


 僕はバレーの結果も気になるし、「ROOKIES」の続きも待ち遠しい。これが同時に楽しめたら一番良かったのだけどな。共存させるというソリューションはなかったのかね。


◆TBS「2008北京オリンピック バレーボール世界最終予選」
◆TBS 『 ROOKIES (ルーキーズ) 』


◆市原隼人 オフィシャルウェブサイト - Hayato Ichihara Official Web ...