どこかに閉じ込められる話



 岡嶋二人の後期の傑作作品のひとつに挙げられる『そして扉は閉ざされた』。ただ残念ながら、『クラインの壺』や『99%の誘拐』と比べると、ちょっと物足りない気がしないでもない。


 気がつくと、男女4人がよくわからない部屋に閉じ込められていたという舞台設定なのだが、途中、堂々巡りをしているような展開には、正直退屈さも感じたし、肝心のオチもお見事とは言い難いように思う。緊迫感とか押し迫ってくる危機感はあまり感じられなかった。まあ、好き好きなのかな。


 こういった「どこかに閉じ込められる話」と聞いて思い出すのが、乙一の『SEVEN ROOMS』と、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の映画『CUBE』。この2つの話は、かなりおもしろいと思うんだよね。まあ、好き好きなのかな。


◆SEVEN ROOMS<一期一会 (2003.9/22)
◆CUBE<日々是映画 (2003.9/28)