遺伝子、レイプ、放火



『重力ピエロ』伊坂 幸太郎


 書店で平積みされている『重力ピエロ』という文字を見るたびに「おもしろそうなタイトルだな」と思ってはいたのだが、手に取ることは今の今までなかった。しかし、どこかのサイトのレビューを見て、絶賛されていたため、ためらいなく買うことにした。レビューやクチコミサイトの力ってすごいね。


 で、読んでみた感想は、すばらしいの一言につきる。文体には品があるし、会話文にはリズムがありユーモアがある。洗練されたストーリーの中にウイットに富んだ比喩が添えられており、遺伝子という少々専門的な分野もわかりやすく説明されている。遺伝子、レイプ、放火といったヘヴィーなテーマながらも、読者を不快にはさせていない。完璧だ。


 もっと別の伊坂幸太郎作品も読まざるを得ない。楽しみだな。ちなみに来年映画化されるらしいね、加瀬亮で。なかなか良いキャスティングだね。


◆「それボク」の加瀬亮、伊坂幸太郎「重力ピエロ」に主演決定!<映画のことならeiga.com (2008.03/24)