2002、イチロー、208
『イチローイズム―僕が考えたこと、感じたこと、信じること』石田 雄太
「一番伝えたかったのは、僕の行動には常に意味があるということですね。すべて、自分なりの意図や目的があって行っていることであって、思いつきでやるということはありません。そのことが伝わっていればいいなと思います。
(略)」
イチローはまじかっこいいと思うんだよね。まずこの人の言葉の選び方。そして、理詰めでの物の考え方。人間として理想的な思考回路だよね。つまりは頭が悪い奴にはスポーツ選手も務まらないってことだよね、まったく。
まあとにかく、この1冊はメジャー2年目の2002年のシーズンについて描かれたものなんだよね。2002年というのは、僕にとって完璧なまでに特別な1年であって、そんで事実、シアトルにイチローを観戦しに行った年でもあるんだよね。まじめな話。つまりさ、僕が仕事を辞めたり、シアトルから戻ったあと熱狂的にマリナーズを応援したり、ニートで毎日図書館に通ったり、サッカーにトチ狂ったり、スキンヘッドにしたり、仕事をはじめたり、まあとにかくいろいろやってた時期に、イチローはイチローで世界最高峰の舞台であれこれ苦悶していたことが手に取るようにわかったってことが、この本における僕にとっての収穫だね。
まあたとえば君にとってみれば、2002年なんてなんでもないただの昔の話かもしれないけど、僕にとってみれば、それなりに貴重な1年だったし、それがイチローの1年とリンクして振り返ることができたというのは、なかなか感慨深いもんだったよ。でも正直な話をすると、同じ石田雄太氏の読み物としては、2001年、メジャー・デビュー1年目を描いた『イチロー、聖地へ』の方がエキサイトしたね。だから、2002年になんの思いいれもない人は『イチロー、聖地へ』を読むことをおすすめするよ。これは僕からのアドバイスだね。
『イチロー、聖地へ』石田 雄太