歯磨きガム


 時代で言えば80年代の終わりから90年はじめあたりだと思うけど、「歯磨きガム」ってのが世の中にあったんだ。覚えてる人いるかな。あげく「ノータイム」とかいう商品名だったと思うよ。これは、どこから見ても四角いガムなわけだけど、噛んでるだけで歯磨きもできるという優れものなわけさ。まさに一粒でなんとやらってやつだよ。で、当然、流行に敏感でめんどくさがりな僕は毎朝このガムを噛んで学校に登校するという生活スタイルを導入したわけさ。小学校高学年の頃の僕はませてたんだよ。まじ。それに、ただでさえ時間が惜しい朝に、やることが1工程減るわけだからね。さすがノータイムだね。革命的だったよね。世の中に「歯磨きガム」がリリースされたってことがだよ。


 でもね、この「歯磨きガム」レボリューションも、いつ頃まで続けていたか覚えてないんだよね。さっぱり。もとより、今となってはそんなガムなんか消えてなくなってるしね。でも今考えても悪くないアイデアだと思うんだけどな。歯磨きとガムの噛み合わせってのは。


 でも多分ね、どんなに忙しくても、めんどくさくても、歯を磨くという行為にはそれに代えられない爽快感があるんだろうね。てゆーかむしろ、歯を磨かないことに不快感が伴うのか。僕なんか次の日に早く起きないといけないのに、夜更かししてしまったときなんかは、わざわざ歯を磨かずに寝ることだってあるんだ。朝、目覚ましがなったときに、口の中の不快感でベッドから出ざるを得ない状況をつくるためにね。背に腹はなんとやらってやつだよ。このテクニックは君も使ってみてもいいよ。


 まあとにかく僕の言いたいことはだね。身体のケアってのは、多少の手間隙かけてでもやるべきだってことだよ。手を抜くなってね。その方がすっきりするわけさ。フィジカル的にもメンタル的にもね。これはほんとだよ。