ブランドが語りかけてくる物語



『どうして売れる ルイ・ヴィトン』堺屋 太一


 もともと僕はブランド志向が強いわけだよ。ソニーとかアディダスとかね。そういう観点からすると、この「ブランド」を考察した読み物ってのは、なかなかおもしろかったと思うよ。まあ、この本は学生がまとめたものだから、所々頼りないところもあったけどね。てか、学生って言っても天下の東大生だけどね。あ、そうそう、これはヴィトンについて書いてる本だってことは、タイトルを読めばわかると思うけど、ヴィトンというブランド品に限らず「人は何故、ある特定のモノをこだわって買うのか?」ってことについて書かれているようにも読み取れるんだ。やっぱりね、モノが売れる背景には、物語があると思うんだよ。物語ね。その物語さえ暗に伝えられれば、高かろうが安かろうが、人は魅了されるんだよ。その辺、ちゃんと考えてほしいよね、人様にモノを売ろうとする人間はね。