10年前の東京、10年後の自分


◆TOKYO decadeLatLongLab



 これ、すごくおもしろいと思うんだ。地図を並べて見るって発想ももちろんだし、2枚の地図が連動してるって技術的な部分もね。


 とにかくね、1999年と言えばちょうど我がドラゴンズが優勝した年で、僕としてもまったくをもってして遊びほうけていた時代だったね。それがもう2009年には東京にいないわけで、もちろんそんなことは当時まったく考えもしなかったことだから、時間の流れってのは恐ろしいよ。そしてそんな時間と共に、東京は変わっていくわけなんだよ。うん、これには哀愁を感じざるを得ないね。哀愁をね。


 でもね、ぐりぐりと地図を動かしてみて思ったんだけど、期待したほど東京も変わってないなってのが本音だね、悪いけど。六本木や汐留なんかは、ごちゃごちゃ変化してるけど、その他は「まあこんなもんか」程度だよね。僕が暮らしていた北区とか練馬区とかはあんま変わってないんだよ。そりゃもちろんさ、実際に足を運んでみれば、よく行ってたコンビニが歯医者になってたり、ラーメン屋があった場所に美容院ができてたりと、そういう細かい変貌は多々あるはずさ。間違いない。でもね、地図上の表記がまったく変わっちまうほどのドラマティックな変化はさすがに10年くらいじゃ起きないのかなって思ったよ。


 ただね、地図の表記がどうであれ、10年前と今を並べて見ることができるっていう部分に、何かすごい深みを感じたね。想像以上に変わってることと、予想外に変わってないことがあるんだ。だからさ、実は10年前の自分と今の自分をこうやって横に並べて隈なく見てみたとしても、劇的に変化してる部分なんて案外少ないのかもしれないね。容姿的に太ったとか肌鮮度が落ちたとかはあれど、根本的な物の見方・考え方だとか、好みなんて「まあこんなもんか」程度の変化なんだと思うよ。つまりさ、僕は10年前も今も、まったくをもってしてドラゴンズ・ファンなんだ。それは東京の10年前も今も、まったく同じ場所に山手線が走ってるのを同じくらい変わってないことなんだよね。