1Q84



 図書館で予約して借りて読むつもりが、ついつい昼休みに書店に足が向いて、手に取って買ってしまったよ。うん、もうこれは動物的本能が働いてどうしようもなかったね。僕は単行本を買うことなんて滅多にないけど、こればっかりは我慢できなかったね。でね、思ったんだよ。大人になってまでね、これほどまでに何かの発売日が待ち遠しかったり、楽しみだったり、わくわくすることなんてそうそうあるかってね。まずないよね。いや、思い返してみてもだね、う〜ん、まあそうだね、春のユニコーンのアルバム・リリースはかなりわくてかしてたな。まあつまりさ、大人になってからでも、ささいなことで、大きな幸せを感じることってもんはあるわけだわな。こういうエキサイトすることがないと、人は必要以上に老けていってしまうから、注意しなよってことだよ。こういうことに、大人も子どももないよね、まったく。


 でね、手を洗って読みはじめてみたわけだけど、いやはや、これはまたまったく新しい世界だね。うん。まだ読んでない人もいるだろうから、これ以上は言わないけど、まったく新しいんだよ。断言するよ、2009年の『1Q84』はまったく新しい。もし君がそれを欲するなら、今すぐでも書店に走るべきだね。うん、大桑の勝木書店なら23時までやってるから、まだ間に合うと思うよ。まじで。



1Q84村上春樹


◆村上春樹の最新長編小説『1Q84』