ブログとメールとダサイ


 ブログとねメールを読んでいるみたいな気分だったんだよ。うん。誰かの書いた日記的なブログと、誰かから定期的にもらったメールってことだよ。しかし、君、思い違いしちゃいけない。これは昭和の作品なんだよ。昭和17年とか21年にダザイが発表した作品なわけで、当然そんな時分にはブログもメールもないわけさな。


 つまりさ、僕が思ったのはこういうことだよ。人間が自分の想いを書き綴ると、どんな時代であってもどんな媒体であっても、読む人には同じような好奇心をかきたてるんだなってね。もちろんそこには、愛だの恋だの夢だの希望だの、成長することや生きることへの普遍的な悩みだとか葛藤が見事にえぐり出されているからなんだけどね。まあとにかくね、僕が言いたいのはだね、その辺のブログを眺めてる暇があったらダザイを読めってことだよ。まじで。


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