ラジコン、クワガタ、サウスポー



『133キロ怪速球』山本昌


 これはね、読んでおいた方がいいよ、まじで。ドラ吉はもちろんだし、野球好きであれば目を通しておくに値する一冊だよ。まじ、強くおすすめだね。


 ご存知、200勝投手(2008年シーズン終了時:204勝)の昌さんは、ドラゴンズ一筋26年の大ベテラン。8月には44歳になるんだよね。これは現役では、横浜の工藤投手の46歳に次ぎ、ロッテの小宮山投手と同じ年という“おじさん投手”。まあ、今年は今のところ、活躍できてないけどね。


 まあそんなことよりね、僕が昌さんをニクイ奴だなと思うのがね、球場で背番号34のTシャツやレプリカ・ユニフォームを着ている人をあんまり見ないことなんだよね。みんな3だったり6だったり13のユニフォームを着てるんだよ。でもね、それが昌さんのチャーミングなところなんだよね。「昌さんはいてくれて当たり前」みたいな「保護者」的存在感をかもし出していて、親近感があり過ぎるんだよね。野球エリートというより、僕らと同じような野球好きがプロ野球選手になっちゃったって感じが強いからね。だからだと思うけど、昌さんはくまのプーさんみたいにみんなに好かれるんだと思うな。だって中日や落合が憎いという人はあまたいれど、昌さんをそんな風に思ってる人はなかなかいないだろ、まじで。この辺が、ニクイところだよね、昌さんの。


 でね、本の内容は、おもしろいエピソードや感心する哲学ももちろんだけど、アンティークなサイトで日記を書き続けてるだけあってか、なかなか愛嬌のある文章を書くんだ、昌って人はね。これは読んでいてめっぽう楽しいわけさ。うん、なんかね、幼心に帰れるような空気感があるんだよね。僕と昌さんは干支でいえば一回り以上も歳が離れているけど、いわゆる「男の子=野球」という時代を生きた人間として、哀愁感じる場面が多々出てくるんだよね。まじおすすめだよ。


◆山本昌広INTRODUCTION