永久の学園PL学園



『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』橋本清


 君がもし80年代に小学生だったとして、夏休み、くだらない宿題をしながら、また、学校のプールなんかから帰ってきて、もてあました時間のなかで夏の甲子園を観てた思い出があるなら、この本は買いだね。つまりさ、そこで必ずPL学園の圧倒的な強さを観てるはずだからね。そのPLのレジェンドを読んで楽しむのもこれまた一興。季節を問わない風物詩と言えると思うんだ。


 87年に春夏連覇を成し遂げた橋本が、11人のOBを相手にインタビューをし、まとめた構成になってるんだよね。でね、メンツはもちろんだけど、その順番にもなかなかにくいこだわりのようなものを感じるんだよ。まず第1章に桑田。もうこれは鉄板だろうね。橋本にとって2学年上、背番号1を付けた先輩であり、巨人時代でもチームメイトの桑田は、1番目意外に考えられないね。で、清原は第4章に登場するんだ。うん、清原は四番目に登場するのが、もっともふさわしい順番だと思うよ、まじで。で、第3章には幼稚園からの幼馴染という同期のキャプテン立浪。背番号3にあやかっての第3章だね。同じように第7章に吉村、第8章に片岡を並べてるあたりも背番号にあやかってると思うんだ。アスリートは、こういった数字や順番にすこぶるこだわる生き物だからね。


 とにかく高校野球ってのは、がむしゃらさがあっていいよね。MLBのような規格外の豪快さや、NPBのような華やかな緻密さや、大学野球のような伝統を背負った重さとは別次元にあるような、拙いながらも泥臭く汗臭く後先考えないがむしゃらさね。


 うん、やっぱりね、夏の甲子園にはPL学園がいないと盛り上がらないね。大阪桐蔭や上宮なんかもいいけど、やっぱPLだよ。だからね、観野甲輝君には今年の夏、来年の夏と大いに期待したいところだね。