野球とは、


 まだ日本シリーズが残っているけど、10/12(これは日付じゃなくて分数だね)のファンにとっては、もう2009年のプロ野球は終わっちまったわけだよね。でさ、ふと思ったんだけど、今年のNPBのスローガンって「野球とは、」だったなと。でまあ、この1年も終わったことだし、「野球とは、」について考えてみようかと思ったんだ。


 でさ、一番最初に思いついたのは「野球とは、仲間である」みたいな青臭いコピーなんだよね。というのも、僕は今年の春から、去年までの4年間とはまったく別のメンツと野球をはじめたことなんかが影響してると思うんだ。こういう文句がピンと思い浮かぶに当たってね。でもさ、こういうのなんて別におもしろくもなんともないから、もう少し真剣に考えてみたわけさ。



 でね、僕が思うに野球ってやつは、日本でもっともポピュラーなスポーツであり、娯楽であると思うんだ。てか、確実にそうだよね。でさ、いろんな人がいろんなスタンスでいろんなチームやいろんな選手を応援してるわけさ。でもよく言うように、どんなに一流のバッターでも10回のうち7回は失敗するし、またどんなに素晴らしいピッチャーでも1試合に2点くらいは取られるわけさ。優勝チームでさえ3連戦のうち1試合以上は負けてるんだよね。んで、あげくの果ては、どっかのライバル・チームに負けて、余計なストレスをどっと溜めこむことにもなるんだよ、野球を観てるとね。


 そう考えるとさ、基本的には「なにやってんだよ!」の連続を見守るってことなんだよね、野球を熱狂的に観るってことは。ただ、1度や2度やられてもリベンジの場ってのがあるわけで、試合なら9イニングあるし、シーズンなら144試合あるわけだから、初回からずっと三振してても最後の打席で逆転ホームランとか、1試合目で負けても次連勝で勝ち越しとかで一喜一憂するのが野球のおもしろさだと思うんだよね。つまりさ、野球を観てるってのは、お気に入りの選手や贔屓チームの失敗や敗戦を見て、ひどくがっかりしながらも「最後には勝つ」と信じてエールを送り続けるってことなんだと強く思うんだ。


野球とは、
もっとも多くの人がもっとも容易に疑似体験できる
教訓としての挫折と絶望である――


 僕はね、とても前向きな意味で、こう思うんだよ。事実、10/12(これは日付じゃなくて分数だね)のファンの人間は今期の挫折と絶望を乗り越え来期に夢と希望を抱いてるわけだからね。んで、実際に野球をやってみてもわかるよ。君なんてキャッチボールひとつ、ろくすっぽまともにできないと思うよ。だからね、観るにしてもやるにしても、「こんなはずじゃないのに」という挫折と絶望を味わいながらも、それに立ち向かうための“何か”を考えさせてくれるのが野球だと思うね、僕は。


 ところでさ、君はどう思う? 「野球とは、」


◆2009年NPBスローガン 「野球とは、」
◆野球とは、大賞<セ・パ誕生60周年記念サイト「プロ野球ファンスタジアム」