おでんのタマゴについて


 さっきおでんの話をしてたんだ。


 そうだよ、季節的にもおでんがうまい時期がやってくるね。小さい頃は、「寒くなると大人はすぐおでんおでんと言うが、ハンバーグやカレーの方がずっとうれしいのに」と思ってたけど、年を取るにつれて、寒い時期のおでんというものに格別な感情を持つようになったんだよね。僕の他にもそういう人って多いと思うな。で、まあとにかくそのおでんの具材の何が好きかという話になったんだよ。


 僕はね、俄然、餅巾着だね。うん。そしてちくわぶさつまあげ。と続くかな。もちろん大根ごぼうコンニャク豆腐も外せないけどね。銀杏なんかも通だよね。



 でだよ。話題はさ、タマゴに至ったわけだよ。うん、みんなもおでんのタマゴ好きだよね、きっと。つるつるした白身と、ほくほくの黄身とのコラボレーションがたまんないと、おでんの後半戦にはタマゴが欠かせない人も多いと思うんだ。タマゴを割って、黄身に汁を染みこませて食べるとかいう独自の技を持ってる人も少なくないだろうね。でもさ、僕はおでんのタマゴがどっこい嫌いなんだよね。まあ嫌いというほどでもないけど、好きじゃないことは確かだね。悪いけど。理由はさ、おでんの汁が黄身で汚れるのが嫌なんだよ。あとはさ、みんながやっきになってタマゴタマゴって目の色変えてるのを見てたら食う気が失せてくるんだよね。「ちゃんと君の分もタマゴを取っておいたよ、用意しておいたよ」みたいに言われると「俺別にそんなにタマゴに執拗にこだわってないのに、変な気つかうなよ」って腹が立ってくるんだよ。だから食べたくないんだ。


 まあまとめるとだね、金沢でおでんを食べるとすれば、片町の赤玉だよ。〆は茶飯。で、僕は本店よりも、金劇店の方が好きだね。これ覚えときな。


◆赤玉 金劇パシオン店食べログ