「派遣の人」という言い回しから感じるもの


 仕事で毎月イベント事があって、人手が必要なため派遣の人を複数人雇ってるんだよね。まあ恒例の行事なんで、半年くらい前から毎回派遣されてて仕事に慣れてる人もいるし、全体的にみても彼らはとても熱心にまじめにやってくれてると思うんだ。でもね、彼らに仕事を頼むとき、みんな「ちょっと派遣の人お願いしていいですか?」という感じで指示を出してるんだよね。僕はなんかいちいちその言い回しに違和感を覚えるんだ。もう少し具体的に言うと、差別的な意味合いを感じてしまうってことだね。「ちょっと営業部の人いいですか?」「ちょっと総務の方、集まってください」ってのには特になんとも思わないんだけど、「じゃあ派遣の人はこの荷物すぐ持ってってください」とか聞くと、なんか引っかかるものがあるよね。


 たぶんさ、「派遣の人」というグルーピングに個性というものが感じられないせいなんだろうね。誰でもない単なる労働力に対して話しかけてる、そんな風に感じちゃうんだと思うんだ。正直なところね。



 で、ついでに考えてみたら、フリーターとかニートとか引きこもりって役職には、それぞれなんとなしの個性があるような気がするけど、やっぱり「派遣」からはなんの特徴もイメージも感じないんだよね。まさに無色無臭ってやつだね。世の中には不思議な仕事形態があるんだなと思ったよ。それなりに貢献度は高いはずなのにね。