林信行著『アップルの法則』感想



『アップルの法則』林信行


 実はね、僕も昔マックを所有してた頃があるんだよね。確か「G3」だったかな。2001年とかどっかそのあたりに購入したんだ。というのも、当時のバイト先にはMacがゴロンと置いてあって、使い心地がよかったから思い切って買ったんだよ。もちろんデザイン的な面での透明感のあるオシャレさにも惹かれた部分はあるよね、まじ。でもね、なんとな〜く、徐々に使わないようになって、引越しのときに処分してもらったんだよね、なんのためらいもなくね。


 で、なんでなんとな〜く使わなくなったかというと、マイノリティだからだろうね、Macは。ちょっとしたトラブルはもちろん、操作的に「?」と思うことがあっても、誰にどうアドバイスを求めれば良いのかピンとこないんだよね。そうすると、「?」「?」のまま放置されて、つまりはいつまで経っても自分の思い通りに操作できないから、使うのを止めるという、マイノリティーならではの負のスパイラルに陥ったんだと思うね。


 だからね、それからというものMacというかAppleには、どうも後ろめたい感情があるんだ。せっかく買ったのにろくすっぽ使ってあげなくて、非常に悪かったなってね。とにかく口説きまくって逆指名をもらった選手を、簡単に見切ってトレード放出した監督ってのも、こんな気分だと思うな。だから、iPodがヒットしだしたときも、iPodは買わなかったんだよね。否、買わなかったというより、買えなかったね。うん、それくらい敬遠してたんだよ、Appleをね。


 ただね、そのイメージを根っから変えたのがiPhoneだね。もともと、スティーブ・ジョブズというおっさんにも興味はあったけど、iPhoneを手にしてからは、俄然ジョブズをもっと知りたいと思うようになったね。まあ、そういうスタンスでこの本を読むといささか物足りないかな。とにかく「当たり障りない」というものを、正確無比に形にしたような内容だったな。


 まあ自分という人間を考えると、このマイノリティーさが似合ってるような気もするけど、自宅のパソコンをMacにチェンジするには、まだ少し躊躇してしまうな。まあまたこの先、ジョブズが何を仕掛けてくるかで、あっさり変わっちまうこともあるだろうけどね。