古田敦也著『「優柔決断」のすすめ』感想



『「優柔決断」のすすめ』古田敦也


 古田氏のようなクレバーな人間はリスペクトしちゃうよね。まじ。でもね、とにかく負けず嫌いという主張を力説したり、「初志貫徹」に囚われず臨機応変スタイルを変えるという部分に、イマイチ個人的に馴染まなかったりもするんだ、正直な話。まあもちろん個人的にってことだけどね。


 とは言えさ、「上司にとことん好かれること」「上司に選ばれなければ意味はない」というアマチュア時代から持ってたという古田式の哲学には感服したね。これってさ、その辺の生意気な学生が、社会人になって最初にぶつかる鉄壁の砦だよね。てか、最初から最後まで付き纏う永遠の借金取りみたいなやっかいな問題だよね。


 この本の終盤、野球で言うなら7回表あたりに書かれてるんだけど、野村監督と若松監督という、人として対局にあるような2人の監督について分析してる章があるんだよね。これ結構参考になると思うよ。上司の人柄によって、自分はどういうポジションをとるべきか、部下はどのようにその体制や指示を解釈すべきかって部分でね。でも残念ながら、野村監督も若松監督も有能な監督だったという部分で、君んとこの適当な上司と比較したときに参考になるかはわかんないけどね。