歩くということ


 田舎に帰ってきて感じたことの一つに、「歩かなくなったな」という事実があるんだよね。だってさ、東京じゃ、基本どこに行くにも電車に乗って移動するわけだから、少なくとも家から駅までの距離は歩くわけさ。で、駅から会社とか、駅から待ち合わせ場所とかね。こういうのが、まったくなくなるわけだよ、田舎ではね。なくなるというか、家から駐車場って距離にぐっと短縮されるわけさ。


 でさ、僕も田舎に戻ってきたときは違和感を感じていたんだけど、ちょっと近くのコンビニに、とかスーパーにって用事でも車に頼る機会が増えるんだよね。いやね、歩いたら1〜2分位の距離だよ。それでも車で移動するようになるんだよ、信じられないことに。



 とにかくさ、歩くことは大事だと思うよ。理屈抜きにさ。健康面でもそうだけど、むしろメンタル面で大きく影響すると思うんだ。町の中の様子や、各家々でどんな暮らしをしているか、また曜日や時間帯によっては町の中を歩いている人の年齢や表情をつぶさに感じ取れる、ちょうどいい移動速度なのが「歩く」という行為だと思うんだ。だからね、仕事に一所懸命励むことばかりが、人生の充実じゃないと思うよ。「少」し「止」まると書いて「歩」くになるわけだからね。もっともっと休憩時間を利用して、散歩とかしてみればいいと思うんだ。特にこの時期はさ、4種類ある季節の変わり目の中でも一番趣を感じるチャンスだと思うんだ。だからさ、田舎の人間は、今こそ歩いて、自分の暮らしている町のにおいを嗅ぎとってみることをおすすめしたいね。まじで。