養老孟司 /角田光代著『脳あるヒト心ある人』感想



『脳あるヒト心ある人』養老孟司 /角田光代


 僕が国分寺に住んでいた頃、産経新聞を購読してたのは知ってるよね。その頃、文通形式での連載エッセイみたいなコーナーがあって、確か毎週月曜日だったような気がするけど、これがなかなかおもしろかったんだよね。ゆる〜いテーマの中にも、エッヂの効いた意見が散りばめられてて、毎週楽しみにしてた記憶があるんだ。この養老孟司×角田光代で繰り広げられるコーナーをね。で、この新書を見かけたとき、それを思い出したから買ったんだよ。


 新聞ってのは、一面ニュースや三面記事、ましてはテレビ欄なんかは読む価値はあんまないような気がするんだ。だってそういう出来事はテレビのニュースやネットのトピックスなんかでも見かけるからね。新聞でおもしろさを感じたのは、いわゆる「天声人語」的な一面のコラムと、中面のこういう連載の読み物だと思うんだよね。当時の産経新聞には阿久悠のコラムもあって、これも毎週楽しみにしてたね。「阿久悠 かく言う」みたいなコーナー・タイトルだったな、確か。


 まあ、とにかくさ、この『脳あるヒト心ある人』は2008年に発行されているらしいけど、普遍的な内容なので、古さは感じないね。ぜひ君も読んでおくといいよ。養老さんの仙人的な達観した論述と、角田さんのちびまる子ちゃん的なゆるさが、とてもバランス良くコラボしてるんだ。