樋口裕一著『ホンモノの文章力』感想



『ホンモノの文章力』樋口裕一


 これはマジ感動するよ。君が別に文章を書きたいって思ってなくたって読んだ方がいいよ、これは。文章力は然ることながら、思考力を深めることができると思うな。いつも、チープな発言しかできない君にはぴったりだと思うよ。

 本書で、私がめざすのは、徹底的に実践的で戦略的な文章術だ。ここでは、「ホンモノ」の力をつけることは、とりあえずめざさない。テクニックとして、手軽に高い評価を得られる文章をめざす。そして楽しんで邪道のテクニックを身につけているうちに、ホンモノの文章力がついている、そんな学習力をめざす。


 これは「はじめに」に書かれているんだけど、僕はね、こういうスタンスってのが大好きだね。物事を効率良くマスターするってのは、こういうことだと思うんだよ。


 てゆーかね、思えば僕が浪人してたときって、こんな風に受験勉強をしてたんだよ。「徹底的に実践的で戦略的」で、「手軽に高い評価を得られる」勉強法ってのを教わってたんだよね。一方、現役時代は、なんかよくわかんない先生共が「受験で点を取るテクニックなんか身につけて欲しくない」とか言いながら「学校の勉強さえきちんとやっておけば、ちゃんと点数がついてくる」とか言って、普通に教科書の内容を進めてたんだ。結果、たいして点も取れないし、受験って結局何なのかもよくわかんないうちに1年が終わってたね。


 目的を達成するためのテクニックってのは、絶対におさえておかないといけないと思うんだ。ただガムシャラに努力すればいいってもんじゃないんだよ。この辺、勘違いしてる人が多い気がするな。そういう奴は、頑張ってるのに成果がでない、だからやめる、ってなるんだよ。片や、ある程度の成果が得られたら、今自分が取り組んでいることの「本質」みたいなモノが見えてくるもんだよね。例えば受験だったら、大学側は受験というもので何を判断したいのか、みたいな部分ね。それが解ればもうこっちのもんだよね。コツコツと足元ばかり見ながらの地道に歩くよりも、開幕ダッシュでポンポンと効率良く一気に高いところに登って、「どれどれ」と俯瞰することが大事なんだよ。だからね、僕は「楽しんで邪道のテクニックを身につけているうちに、ホンモノの文章力がついている、そんな学習力をめざす」ってな考え方ってのは、とても重要なポイントだと思うんだよね。まじだよ。