「おつかれさま」という日本語について


 ワケあって中学生と接する機会があったわけだけど、そこで「ふむ」と思ったことがあるんだ。てか、タイトルに書いてあるからわかると思うけど、中学生に「おつかれさま」と言っても、彼らはどう返事していいかピンときてないんだよね。つまりさ、最後の解散のときに「じゃ、おつかれさま」と言っても、彼らは「“おつかれさま”って年上の人に使っちゃいけないんだよな……」とか「ご苦労様」とごっちゃになってもごもご言うだけなんだよね。多分、それが中学生にとってはすこぶる聞き慣れない言葉なんだろうね。だから「さよなら」とか言っておけばよかったんだと思うね。



 でさ、思い返してみると、昔ガイジンさんに、「おつかれさま」って英語で何ていうのか質問したのだが、「“おつかれさま”とはどういう意味か?」と逆に質問されて、結局「そんな英語はない」という返答だったんだよね。つまりさ、「おつかれさま」なんて言葉は、日本のサラリーマンだけというごくごく限られた範囲で、局地的豪雨のように使われている言葉なんだよね、きっと。というのも、こんにちはもお元気ですかももしもしもさようならもよろしくお願いしますも、とにかくいろんな意味合いを兼ねている言葉から便利で常用するようになっちゃうんだろうね。


 ただ、「おつかれさま」って言葉を吟味すると、あまり前向きな言葉ではないよね。そもそも「疲れる」という言葉が入ってるくらいだしね。だから僕も「お疲れ様」とは表記せずに必ず「おつかれさま」と全部ひらがなで書くようにしてるんだ。これだけでも、少しは印象違うだろ。まあそもそも使わないのが一番いいのかもしれないけどね。


 つまりさ、君がもし「おつかれさま」って言葉を無意識に使ってるようなら、日本を象徴する本当に疲れたサラリーマンと化してるってことだよ。そしてフレッシュな若い人の前では使わないように配慮した方がいいってことも覚えておいてほしいな。