外部コーチ終了のお知らせ


 年度末の人事移動発表のときから薄々感じていたのだが、今年度より新たに赴任してきた先生が男子バレー部の顧問となったんだよ。まあ当たり前のことかもしれないけどバレー専門の先生なので、それなりに本格的な練習がきでる環境が整い、さあ新たなスタートだぜという春を迎えれられたんだよね。


 でまあ、きちんとした先生が就いたわけだから、僕自身の立ち位置もぐんと変わるだろうということは意識しつつ、ただ少なくとも新3年生が引退する6月まではこのチームに関わっていたいなという旨は前任の先生に伝えておいたんだよね。で、引継ぎとして、現状のチーム事情と個人能力の簡単なレポートなんかもまとめたんで、近いうちに渡しに行こうと思ってたんだ。ところが新顧問の判断は「外部コーチは必要ない」ということらしいんだ。つまりはさ、僕が外部コーチとして部活に参加すること、学校に出入りすることは、この時点で終了したってわけだよ。先生と保護者の方とで今日話をしたらしいが、先生曰く、3年生の引退まで続けたら、今度は残った2年生が「なぜ、僕らを残してやめてしまうのか?」と傷つけることになると。だから、タイミングとしては、この新年度のスタートで切り替えるのはベストということなんだ。まあ確かにその通りだね。


 まあ、僕としては、専門の指導者の元で、中学校の部活動というものがどのように活動しているのか、中学生という生き物にどのように教えて、どのように接してやればいいのかという点を一番勉強したいと思っていたんだけど、残念な結果になてしまったね。先生には先生のスタンスがあるわけだから邪魔をするわけにもいかないし、すべての決定権はボスにあるわけだから、それに従うだけなんだけどね。そもそも僕は「外部」の人間だしね。


 でね、僕が思ったのが、やっぱり物事には取り決めというか、「いつからいつまで、どうするのか」というごくごく基本的な契約事項というか条件ってのは大事なんだなと思ったよ。今回の「外部コーチ」なるポストに関しても、年度末までなのか、チームとしての区切りの3年生引退までなのか、もしくはその判断・決定権は学校側に委ねられたものなのか、保護者側にあるのか、僕の意思が優先されるのか、また、そういうった諸々の事柄を学校、先生、保護者、僕、そして(必要ないかもしれないけど)生徒が把握できていたのか……。すべてがなんとなくの曖昧な中で進められていたんだよね。今までの学校が用意した顧問の先生よりも僕の方がチームの中心にいるという力関係がそもそもおかしいわけで、先生が変われば立場も変わることをもっと自覚しておくべきだったんだよね。このままで居られるわけがないと。本田△の真似をして「常に準備をしておけよ!」と生徒に言ってきた自分が一番準備不足だったよ。


 僕は少なくとももう少し続けるつもりでいたから、前回の練習時にも普段どおり練習が終わったら「さいなら」って帰っただけで、「じゃあ、僕は今日までです。みなさんさようなら」みたいな挨拶はしてないし、当然生徒もそう思ってないだろうしね。まあ、子どもはいちいちそんなことは気にしないかもね。ちゃんと練習ができれば、それだけで頭の中はいっぱいになるだろうし。


 得たものは大きい、一方でやり残したことの方が大きい。ただ、何事においても、終わってみればやり残したことの方が大きいんだろうと思うね。別にこれがイレギュラーな結末ではないと思うんだ。あらゆる事柄の縮図のようにも思えるんだよ。急に終了ってのはね。だからね、あらゆる事態を想定して、準備をしおくということがどれだけ重要か、それを怠っていたらどれだけ後悔するかってのを、最後に学んだよ。部活動からね。