便利な言葉「がんばろう」


 何年前か忘れたけど、意識的に「がんばれ」「がんばろう」って言葉を使わないようにしてたんだ。文章ではもちろんのこと、口にもしてなかったんだよ。理由は2つあって、1つは、よく言われているように「がんばれ」って言葉は、逆に相手に無駄なプレッシャーやストレスを与えちゃうってこと。もう1つは、言葉自体にチープさを感じること。誰でも簡単に、かつ事あるごとに使ってるからね、「じゃ、がんばろう」とか「もっとがんばれよ」とか「がんばってるか」とかね。もう挨拶以下の価値しかないじゃんって思うんだよね。だったら、こんな言葉使いたくないな。似たような意味の違う言葉を使おうって、ずっと4〜5年くらい、そういうスタンスを保ってたんだ。



 でもね、ホントここ1〜2年くらいなんだけど、「もういいや」って思って、文章として書いたり、なんかのアドバイスや挨拶のときに「がんばろう」って言葉を使ってしまってるんだよね。というのも、仕事にしても部活にしても、はじめの号令や締めのコメントをするときにどうしても頼らざるを得ないんだよね。「じゃ、がんばろう」って言葉にね。それだけ便利だという反面、特別言う事を用意してない場合、「がんばろう」って言っちゃうってことなんだろうね。言葉に詰まると出てくるんだよ、「がんばろう」って言葉がね。適当な精神論でまとめるときに便利なんだよ。


 まあそれだけの話だけどね。つまりさ、僕が言いたいことは、「続ける」ということはすごく難しくて、「止める」ことはすごく簡単だってことだよ。そこに、どんなこだわりがあったとしてもね。