本田健著『ユダヤ人大富豪の教え』感想


 僕はね、ユダヤ人には一目置いているんだよ。ユダヤ人の持つ歴史や運命はもちろん、その説明しようのない神秘性に魅力を感じるんだ。うん、だからユダヤ人の言うことには耳を傾けようって意識が、君なんかよりはずっと強いと思うな、まじめな話。


 でね、まあこういう贔屓目があってもなくても、この本はすこぶるためになるものだと思うな。もし君がユダヤ人を嫌いだとしても、また君の興味が大富豪になかったとしても知っておくべき哲学がいくつも書かれているはずだよ。ユダヤ人のこういう部分を僕はリスペクトしてるんだよ。万人に対していいとこ突いてくるなってとこね。まあ、若干、抽象的で観念的なくだりが多いような気がもしたけど、それでも読みがいはあったね。てか、少し前に読んだ『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』でも紹介されていた考え方がいくつか紹介されていたことも、おっと思ったね。お金に関する成功者のこだわりってもんは、どこか一貫してるのかもね。てか、お金だけじゃなく、長谷部の本とかその他最近読んだ本の中で、「ほう」と思ったことが、ずらっと紹介されてたな。そういう意味では、おさえておきたい「物事の捉え方」ダイジェスト版みたいな内容かもね。まあ、こう書くと、チープな気がするけど。

「『ふだん考えることが現実の人生をつくっている』という事実は、多くの成功者も語っている。そして、実際に多くの人間がそれを使って成功したと言っている。(中略)『君の考えが人生で現実のものとなる』ということは、真実だ。(中略)自分のなりたい姿を想像したり、やりたいことを想像することだ。驚くように現実になるだろう」
「でも、考えても、そのとおりにならないことも多いんですが」
「そのとおりだ。でも、よく君の思考を調べていけば、実は、思いどおりにならなかった現実を望んでいたことがわかったりするのだ。(中略)私は、『人生の結果はその人の本来の意図を表す』と考えている。(後略)」


 なかなかするどい指摘だと思ったんだよね。「努力したけど、うまくいかなかった」=「自分の思考の中で、うまくいかないことを認めていた」または、「どこかで悲劇のヒーローも悪くないと思う節があった」ってことだよね。これにはまいったよ。僕もこれまでの人生を振り返ってみて、「失敗」と呼べるものに対して、ある程度早い段階で「失敗」を受け入れていたり、想定していたという心当たりが山ほどあるんだよね。受験にしても、人付き合いにしても、恋愛にしても、本格的にはじめた趣味、もちろん仕事に関してもね。君はどうかな。これを知っておくだけでも、ポジティブで前向きな人間にならねばいけないなと深く反省させられたよ。否、ポジティブで前向きな人間になるには、まだまだ自分の中に潜んでいる弱い部分を克服しないといけないんだなと気づかされたよ。


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