観光、マラソン、2015

観光に関わることをしたい


 もうこれ以上東京にはいないだろうなと、2007年頃からおぼろげながらに思っていて、じゃあ金沢に帰ったら何をするかってので、僕が頭の中で描いていたことがあるんだよ。「観光に関わることをしたい」ってね。というのも、2014年に北陸に新幹線が通るという話が現実味を帯びてきており、金沢の観光は今後絶対に変えていくべき最重要課題のひとつだと感じていたからだよ。


 東京いて実感したことのひとつに、「金沢」のネーム・ヴァリューってのはそこそこ高いってことがあるんだ。でも同時に、金沢を知らない人間が勝手に良いイメージを抱き過ぎてる気もしてるんだよね。城下町、古都、伝統都市、海の幸みたいなイメージね。特に関東からしてみれば、対角線上に位置する北陸ってのは、ある意味死角で、気分的にもっとも遠い位置にあるわけで、「日本には金沢のような古き良き伝統都市がまだ残っている」なんて浪漫を抱くのに都合が良いってだけの話じゃないかとね。というのも、仕事なんかで、いくつかの地方都市に行ったとき、「ああ、これは金沢なんかよりよっぽど見どころのある町だな」と思うところがたくさんあったんだよ。金沢負けてるなと。で、そんな状態で新幹線が通ってアクセスが整い、多くの人々が実施に足を運んでみたら、「金沢、まあ普通」みたいになるんじゃないかと。このままじゃ、いかんだろうという思いから、観光ってのものに興味を持ったわけさ。


 でもさ、実際には観光に関わる仕事には就いてないわけだよね。その理由は2つあって、1つは、やはり一番望むことを仕事にしたくなかったってことと、もう1つは、当時の金沢の観光業界は人を募集してなかったってこと。ということで、観光ってのは、僕の頭の中からこの時点で消えたわけさ。


2015年に金沢でもフルマラソン開催


 今年から所属したマラソン・チームの忘年会に、ひょんな繋がりから山野金沢市が来られて、「金沢にはスポーツ文化が根付いていない」と嘆いておられたんだよね。確かに、美術や音楽などアートの分野での動きはみられるが、金沢にスポーツのイメージは皆無だよ。そのテコ入れの1つとして、山野市長は2015年に金沢にフルマラソンを開催すると公言し、ぼちぼち始動しだしてるんだよね。


 でもね、「じゃあマラソンやります。よ〜いドン! はい、おつかれさまでした」というだけじゃ、いけないんだよね。全国からランナーを集め、「金沢らしい」コースを駆け抜けてもらい、前後の宿泊や料理も堪能してもらい、また来年も参加しようと思ってもらうのは、そうそう簡単なことではないわけさ。でね、他の有名な市民マラソンってのは、とにかく沿道にいる方々の声援やサポートがアツいんだよ。当然のことながら、そういうレースが人気を博し、日本中から参加者が集まってくるわけさ。チームで好評なのは「いびがわマラソン」っつって、多分君は揖斐川」ってのが何県のどこにあるのかも知らないと思うけど、ランナーにとってみればすこぶる好評で、毎年、岐阜県揖斐郡揖斐川町という小さな町を走るために1万人ものランナーが訪れるわけさ。金沢マラソンもそういうレースにすべきだという意見が強かったね。


 つまりさ、ランナー視点に立ってのサポートが実は重要で、お役所の方々だけでなく、僕らのチームも金沢フルマラソンになんらかの形で関わっていきたいという意見交換ができたんだよ。走ることのつらさやおもしろさをわかってる人間に協力させてくれよと山野市長に伝えたってことさ。まあ、酒の席の話だから必要以上にアテにしない方がいいかもしれないけど、楽しみだね。



 まあまとめるとだね、すっかり忘れかけていた「観光」という分野に、趣味レベルで関わっていけそうな気配が出てきたってことだよ。これはとても興味深いね。明日から2012年。2年後の新幹線開通と3年後の金沢フルマラソンが楽しみだよ。


◆いびがわマラソン