泥沼的三角関係


◆三田誠広 著『永遠の放課後』Amazon.co.jp


 微妙かと……。まあ、好き嫌いはあるだろうけど。


 とにかく、この話に登場してくるキャラクターは皆、男2人と女1人という3人ワンセットでくくることができる。で、当然男同士で1人の女を取り合う、まあ女の方からしてみれば2人の男に板ばさみにあって困っちゃうわアタシ、みたいなやりとりが繰り返されるわけである。でも、この話のなかの男連中はみんな「譲り合う」のである。「親友の彼女だから」とか「誰々(女)は最初、お前のことが好きだった」とかいう、きれい事を理由に。でも実際問題、本当に誰かと好きな人がかぶったら「奪い合う」のが性なんじゃないかと思うんだけどね。人間というか、動物的な本能として。そういう意味で、こいつらには親近感を感じられなかった。


 こういった人物構成だったら、女の人目線の方がどろどろしたストーリーになりそう。僕はどっちかというと、そういった泥沼的三角関係の方が好きかもしれない。てか、好きだな。やっぱり女の人の方が恋ってものに貪欲なんだろうね。