マイバッグ、不透明、0.04%


 近所のスーパーに菓子パンと牛乳と麻婆茄子の素なんかをマイバッグ(エコバッグとも言う)持参の上、買い物に出かけた。レジのおばちゃんがレジ袋をバーコード済みの商品が詰まったカゴの上に乗せようとしたときに、「あ、袋いりません」と言ってみた。「ありがとうございます」とレジのおばちゃんは言った。エコな自分にさわやかな春風が吹き込んだような気分になった。


 で、だ。


 マイバッグを使うことを呼びかけているのはいいことだと思うし、それが浸透しているのも事実だと思う。でも、目的はマイバッグを使うことではなくて、レジ袋の削減であり、つまりは石油の使用量だったり、CO2の排出量を削減することにあるわけだ。なのに、そのへんがとても不透明な気がする。


 マイバッグのおかけで、今、日本でどれくらいのCO2削減ができているのかちゃんと明示すべきだし、各スーパーごとでも、「おかげさまで、2007年とうきゅうストアでは、前年比20%のレジ袋削減に成功しました」といったアナウンスがもっとされてもいいような気がする。


 で、少し調べてみたら、レジ袋を削減したところで、地球温暖化や環境問題には、さしたる影響はないようである。具体的には、1世帯でレジ袋を年間50枚節約すれば、約2キロのCO2削減に換算される。これは、1世帯のCO2排出量を約5トンと仮定すると、0.04%程度の影響力ということになる。もちろん「チリも積もれば」なのだろうが、思った以上に微々たるもののような気がする。


 そう考えるとマイバッグ利用の効果なんていちいち発表せずに、単なるブームとして、できるだけ多くの人を便乗させるようにしておけばいいのかもしれない。レジ袋削減に協力しているという実感とともに、エコに興味、関心を示し、節電や節水など様々な取り組みをはじめてもらうことが、マイバッグの持つ一番の役割なのかもしれない。


◆エコバッグ推進運動-2007年度調査結果松下電器産業株式会社