食べ歩く@宮崎


 1日目に山下屋というショッピングビルの真裏に位置する「おぐら」というお店に寄ってみた。なんでもチキン南蛮の発祥の地とも言われている宮崎県の有名店らしい。なので、僕は満を持してチキン南蛮(950円)を注文した。


「おぐら」のチキン南蛮


 見た目以上にとにかくボリューミーで、タルタルソースは濃厚。でも胸焼けしそうなしつこさがないのは、さすが。女の子なんかは、普通にご飯少な目とか、そもそも全体的に半部、とかにスケールダウンしてもらった方が無難と言えるくらいの迫力ある逸品。


 寡黙なコックと陽気なおばちゃんがいるという、絵に描いたような町の洋食屋さんといった雰囲気で、いいお店だなと感じましたよ。


 2日目の昼には宮崎県庁近くにあった「花月亭」というお店に行った。


 一見、割烹料理なんかを出しそうな雰囲気もあるお店だが、手頃な価格のランチもやってるよう。この日の日替わり定食はコロッケだという。わざわざ宮崎県に来てるのにコロッケはねーよなーと、オーダーに迷ってたら、おばちゃんがメニュー表にはないが「地鶏もできますよ」とのことなので、地鶏にした(1,200円)。


「花月亭」の地鶏定食


 こちらの地鶏も、塩とレモン風味の非常に濃い味付けだった。それでもしつこさはなく、かなりおいしいかった。僕はチキン南蛮よりも、地鶏の方が好みだ。


 そもそも僕は「地鶏」ってものがよくわからなかったのだが、かいつまんで言えば、日本農林規格 (JAS) の定義を満たし(まあ、これがややこしい)、地面で育てた地元の鶏といったところらしい。地元の鶏ということなので、もちろん宮崎県以外にも「地鶏」と呼ばれる鶏はいくらでもあり、秋田県比内地鶏なんかが有名なところ。でも僕のような凡人からしてみれば、地鶏といえば、今はもう宮崎県の専売特許のように感じてしまうんだよね。これも東国原知事の宣伝効果なんだろうね。


 イメージというものはとてつもなくたいせつで、少なくとも「宮崎県に行ったらからには、これを食べよう、あれを食べよう」といったプランが立てられる。というか、「あれを食べねば」という目的と言ってもいいかもしれない。目的のある旅行は楽しい。


 そもそも、宮崎県には訪れようと思う観光スポットが徒歩で行けるような場所にはほとんどない(まあ、地方中核都市はどこもそうかもしれないが)。シーガイア・リゾートはじめ、高千穂峡サンメッセなど車がないときつい。そこに、県内ならどこでも楽しめる「食」と、市内の中心部にある県庁にスポットを当ててPRしたのは、訪れる者にとってとてもわかりやすく、そして楽しみやすく、つまりは満足できる旅行を手助けしてくれるわけだ。出張でちょいと宮崎県にやってきた人間でも、充分にその良さを満喫できる。


 そんなこんなで、1泊2日の70%ほどが雨だったにも関わらず、宮崎県をとてもエンジョイできた気がする。


宮崎県庁