フォーマット、ストラクチャー、スマート



東大合格生のノートはかならず美しい』太田 あや


 僕は元々ノートをとるのが好きだったんだよね。もちろん学生時代の話だよ。で、その後もノートというかメモをとることは続けているんだけど、どうも適当なわけさ。一応5〜6年前のノートやメモ帳も保管しているのだが、読み返してみてもなんかしっくりこないんだよね。せっかくいろいろ勉強してきたわりには、どん詰まりのライト前ヒットみたいな感じなんだ。


 ということで、この「東大ノート」は発売前からかなり注目してたんだよね。いわゆるひとつの、ノート的もやもやが解消されるのではないかってね。で、実際にノートを購入し、使ってみたが、確かに使いやすいわけさ。打球がきれいにセンター前に抜けていくわけさな。単にドットが入ってるってだけのノートなのにね。なもんで、本も買ってみて読んだわけだけど、さすが東大合格生のやってることはいちいち理に適ってて、いちいち感心してしまうよ。これはもうまいったと言うしかないね。まいった。


 この本では「東大ノート」の7つの黄金ルールを紹介しているけど、僕なりに感じたことは、人それぞれノートの取り方には特徴があるのだろうけど、結局のところ優秀なノートには、2つの共通項があるように思うんだ。ひとつは、確固たるフォーマットで統一されていること。もうひとつは、美しいストラクチャーであること。つまりは、自分なりのルールを決めて書き続ければ、必ず美しいノートが仕上がるってわけさ。だから一流のノートには建築美に似た感動すら感じるんだよね。建築美。僕がこれまでの自分のノートにしっくりいってなかったのは、「これだ」と思った自分ルールを持続してなかったがためだろうね。確固たるフォーマットがなかったんだ。だから、美しいストラクチャーを描けなかった。


 アソシエとかTHE21みたいな雑誌でも上手なメモのとり方、必殺ノートの勉強術、みたいな特集をよくやってるけど、あんなのよりこっちの方がずっと説得力あったな。何が必殺だよって思うよ。頭がいい人間というのは、常にスマートでないといけないんだよ。東大合格生のノートはかならず美しい。タイトルからしてもなんてスマートなんだろうか。