うどんを食う


 今日はお昼にうどんを食べたんだよ。まあ、どこにでもあるチェーン店のうどんだけどね。でだね、お店に入るとお昼時だからか知らないけど、そこそこ混んでたんだ。そこそこね。だから、注文するのに順番付いて待つことになったわけだ。で、列にならびながらひとつの事柄に気づいたわけさ。


 そのお店はだね、厨房に2人くらいの女の子がいて、うどんをゆでたり、ねぎを盛ったりしてるわけさ。で、レジのとこで会計をする子がいて、皿洗いの場所にもう2人おばちゃんがいて、総勢5人体制でうどんを提供していたわけだよ。でね、僕が言いたいのはだね、ここにいたみんながみんなうどんみたいな人だったってことなんだよね。つまりさ、もちもちしてるんだよ、人間としてもちもちね。まいっちゃうよね。うどん屋で働いてるから、こんな風にうどんみたくなったのか、そもそもうどんっぽかったから、うどん屋で働くことになったのか知らないけど、とにかく「あー、ここはうどん屋だな」と実感できたね。


 別に僕はこの人たちを小ばかにしてるわけじゃないんだよ。例えば、インド人がつくってるカレー屋って、それだけでおいしそうって思うよね。それと同じように、うどんみたいな人たちに盛ってもらえるうどんは、とても魅力的だってことを言いたかったんだよね。でも、セルフサービス用のお茶の湯飲みが切れてるってことをどっかのおっさんにでかい声で指摘されてたね。多分、あのお店の人達はうどんをもっちり茹でることに専念してて、湯飲みの件は盲点だったんだと思うな。それくらい大目に見てやってほしかったね。