頭が悪そうな人間


 今日はガストで食事をしたんだよね。でさ、席に案内された瞬間、なんかもうがっくしテンションが下がっちゃったんだよ。何でかっていうとね、僕の席の目の前の席に、老けた中学生か幼い高校生くらいのだらしない男2人組がどっかと座っていたからなんだよ。彼らは、家着のような上下ジャージ姿で、ソファーの上に座っていたんだ。ソファーに座っているんじゃなくて、ソファーの上に座ってるんだよ。つまり両足をソファーの上に乗っけて、ひらがなの「ん」のような姿勢でとても暇そうにだらりとくつろいでるんだ。こういうの見ると、もうそれだけでお店変えたくなっちゃうよね。テーブルの下にはサンダルが転がってるしね。でも、まあいわゆるヤンキーとか不良みたいな人間じゃないんだ。そもそも禁煙席にいるくらいだからね。どっちかっていうと冴えないタイプの男2人なんだよ。で、何がおもしろいのかときおり下品な声で笑ったりしてるわけさ。しまりのない顔でね。まわりにいる人を不愉快にさせるには充分な存在感だったね。


 でね、僕は思ったわけさ。頭が悪そうに見える人間って、見てて腹が立つんだなって。だからね、人として頭が悪そうって他人に思われるのだけは、避けないといけないなって思ったね。勉強ができるとか仕事ができるとか、そういうのってのは交友を深めていく上での印象や評価だけど、パッと見で「頭が悪そう」ってのは、どうしようもないハンデキャップだよね。あまり信用もしたくないし。で、たいていファースト・インプレッションでそういう風に見える人ってのは、実際問題頭が悪いもんなんだよ。ほんと。


 それは行儀が悪いとか、格好がだらしないとか、チャラチャラしてるってことと必ずしもイコールではないと思うんだ。それに実際「頭悪りぃな、コイツ」って思う人間だって、付き合ってて楽しかったりおもしろい奴がいるってのは、君もわかるよね。関わりたくないな、と思うのは、理由はわからないけど、「頭が悪そう」っていう負のオーラを醸し出してる人間なんだよ。だからね、君も普段から頭が悪そうなんていう風に他人から見られないよう、注意すべきだと思うね。まじな話。