阿部公房、ルイス・キャロル、伊坂幸太郎



『オーデュボンの祈り』伊坂 幸太郎


 これはね、あれだね、まず「阿部公房かよ!」ってつっこみたくなったね。でね、最終的にはね、「ルイス・キャロルかよ!」って思ったね。つまりさ、カオスなんだよね、徹底したカオスね。


 なんでもこれが伊坂幸太郎のデビュー作というんだよね。そう言われてみると、処女作っぽい気はするんだよね。精巧なメタファーや緻密なプロットよりも奇抜な設定が前面に出ちゃってる気がするんだよね。だから少々、とっつきにくい部分もあるような気がしたんだよね。書店のポップでは、何とかの「1位」みたいなことが書かれていたから期待し過ぎたのかもしれないけどね。まあ、また別の作品でも読んでみるかなと思うよ。