公式というもの


 『1Q84』の数学の話で思い出したのだが、僕は数学の「公式」を使って問題を解くのが大好きだったんだよね。例えば、「底辺×高さ÷2」とか「(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd」みたいな公式を1つ覚えておけば、たいていの問題は対応できるわけさ。1粒でなんとやらみたいなやつだよ。で、テストの中でも1問か2問ある、ちょっと応用問題、ちょっとひっかけ問題だけに注意して、頭をひねれば他人よりもいい点数が取れるわけさな。基本+ちょっとした気転で、俄然優位なポジションを築けるわけさ。これは、ほんのちょっとした差だけど、出てくる結果は大きな違いとなるんだ。


 でね、思うんだけど、この公式に当てはめて問題を解くってのは、何も数学だけの専売特許じゃないなって思うんだよ。気づいたのは最近だけどね。


 つまり、営業であっても、企画であっても、人付き合いであっても、身体を鍛えることであっても、栄養を効率よく摂取することであっても、書かれている文章を端的に理解することであっても、それ相応の「公式」がって、その公式に当てはめて物事を進めていけば、たいていの事柄はうまくいくんだよ。これまじだね。


 だからね、僕は小さい時分に、「公式」を使ってとにかく反復計算したことが本当に良かったね。それは今になって気づいたことだけどね。